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菊野克紀後援会『薩摩』は格闘家・菊野克紀の活動支援だけではなく、「ヒーローになる」という夢を一緒にかたちにするべく集まった、志を共にした仲間たちです。

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Road To HERO,again!

2009/10/27 火曜日

 こんばんは。後援会スタッフの中條です。あらかじめ書いておきますが、少し長い文章になります。ご了承ください。書きたいことが山ほどあるのです。

 10月25日(日)「OLYMPIA DREAM.12」@大阪城ホールの第8試合、菊野克紀VSエディ・アルバレスの一戦。

 僕は鹿児島の同志と共にモニター越しに応援していました。
 
 エディ・アルバレスは、過去のDREAMの大会で4戦3勝の実績があり、今年は本拠地アメリカで行われた「Bellator」と呼ばれるMMAの大会でチャンピオンになって凱旋してきた、いわば乗りに乗っている選手で、まさしく今の菊野の前に立ちはだかる大きな壁であり、ここを超えることが菊野に課せられた大晦日への課題でもありました。

 今の菊野からすれば、まさに破格の好条件のマッチメイクだったと思います。MMA8戦全勝とはいえ、DREAMでわずか1勝しか挙げていない若者なわけですから。もちろん勝てばDREAMライト級ベルト戦線に一気に参入することとなり、そのまま大晦日への参戦が濃厚となる試合でした。

 戦前の予想。僕は後援会活動をしているからとか、そういう理由抜きに菊野が100%勝つと思っていたました。

 詳しくは省略しますが、僕の中では、今の菊野には負ける要素がない。つたない知識で単純にそう分析していました。
 
 そう思っていた。だから、ある種の余裕を持って観戦していました。

 試合開始から約10分後。ホワイトケージと呼ばれる本邦初公開の金網に囲まれた格闘リングの上で、菊野克紀は敗れていました。

 本人の言葉を借りれば「弱いから負けた」ということになります。事実そうなのでしょう。

 第1ラウンドから菊野らしさは発動せぬまま。結果として最後まで未発動のままでした。

 画面越しに見える光景に、思わず絶句。相手のパンチが当たる。白いケージの中で、信じがたい光景が繰り広げられる。

 チキンアームロックのような形で相手の圧力をいなしつつ、徐々にダメージを与えたはずが、相手は少しふらついただけで確実に打撃を繰り広げてくる。

 近距離のレンジに入った!と思った瞬間。寝技に移行。気付けば菊野が首を締め上げれている。

 その場にいた全員の叫び声。苦悶の表情。ようやく首が抜けた!歓喜!

 しかし再び寝技。菊野相手の首を持ちつつ、相手の片足をようやく両足で抱えている中途半端なガードポジション。

 しばらく休めるかな?と思った瞬間、すっと抜けるアルバレスの足。

 やばい!そう思う前にすでに横四方固めの体勢から菊野の腕が真上にピンっと突き出す。

 サブミッション!?どこが極まってるの!?

 そういう間もなく、菊野、タップ。

 決まり手は「肩固め」。2R 3:42。菊野のDREAM第2戦目が終わりました。

 すっとケージから姿を消す菊野。おそらく礼はしたのでしょうが、僕はもう何も覚えていません(後日ブログを読んだところ、このときにも菊野はファンに礼節を持った行動をしていたらしいです)。

 小躍りするアルバレス。勝者を称える歓喜の光。勝者だけが飛び込める万単位の人間の打ち鳴らす拍手喝采という極上のスープ。

 菊野はこのスープの中にいない。

 勝者への敬意を持つことも菊野が大事にしている武道の精神。だとすればこの光景も受け入れなければならない。

 でも、正直この時の僕はそこまで大人じゃなかったというのが本音です。単純に悔しさがこみ上げます。

 何も出来ないまま敗れた菊野の姿がそこにありました。

 受け入れたくない現実。ある種のせつなさ。こみ上げる怒り。落胆の声。敗者へ贈られる会場からの暖かい拍手。

 この拍手がベストバウトの証。でも、浸るには最後のピースが足りない。ぽっかり空いたひとかけら。

 徐々になくなる五つの感覚。

 激昂ではなく、静かなる悔しさ。

 応援する側には何も出来ない歯がゆさがあります。それ以上に、闘う本人には、僕らには分からない歯がゆさ、悔しさ、せつなさ、怒り、様々な感情がこみ上げたことだろうと思います。

 後日、ネットで読んだ試合終了後のインタビュー。淡々と語る菊野。相手に敬意を向けるアルバレス。

 互いのベストを尽くした証。

 僕たちは次のステージへ行かなければならない。敗戦を引きずるほど暇ではない。菊野の語る言葉に僕も目が覚めました。

 結果とそれに伴うプロセス。その全てが血肉となり、再び僕らにフィードバックしていく。

 全ての経験こそがRoad To HEROの糧。

 だとすればこの敗戦は、極上の糧となる。そう信じたい。いや、そうだと確信しなければならないのだと。

 HEROは必ず一度は負ける。その上でパワーアップして帰ってくるものです。

 そしてそのHEROは前に負けたライバルにあっさり勝ってまた次の使命を帯び、突き進みます。

 ただ勝ち続けるだけのストーリーでは嘘っぽい。そんなのただの3文芝居。起承転結があって初めて物語は成立するわけで。

 僕らのHEROは必ず立ち上がる。伝説の第2章はここから始まる。

 2009年10月25日。

 僕らはこの日を決して忘れない。

BGM「again」 by YUI